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marketing-theory·2026年8月10日公開·執筆:ReAnker編集部

NPS(ネットプロモータースコア)とは|測り方と活かし方

NPS(ネットプロモータースコア)とは何かを解説。計算方法、推奨者・中立者・批判者の分類、顧客満足度との違い、スコアの活かし方、注意点、BtoBでの実践まで、顧客ロイヤルティ指標をわかりやすく整理します。

#マーケティング理論#NPS#顧客ロイヤルティ#顧客満足#指標
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「この会社(製品)を友人や同僚にどれくらい勧めたいですか」――たった1つのこの質問で、顧客ロイヤルティを測るのがNPS(ネットプロモータースコア)です。シンプルさと、事業成長との相関から、多くの企業が採用しています。

この記事では、NPSとは何か、計算方法、顧客満足度との違い、活かし方と注意点を詳しく解説します。

NPSとは

NPS(Net Promoter Score)は、顧客ロイヤルティを測る指標です(→ 顧客ロイヤルティとは)。2003年にフレッド・ライクヘルドがハーバードビジネスレビューで発表し、その後ベイン・アンド・カンパニーとサトメトリクスが商標化しました。

現在はApple、Amazon、Netflix、Salesforceなどの世界的な企業から、日本の多くのBtoBサービス企業まで、幅広く採用されています。

NPSの測定方法

「推奨したいか」を0〜10の11段階で聞き、回答で顧客を3つに分類します。

  • 推奨者(Promoters):9〜10点 ← 強く勧めたい
  • 中立者(Passives):7〜8点 ← まあ満足しているが積極的には推薦しない
  • 批判者(Detractors):0〜6点 ← 不満があり、むしろネガティブな口コミをする可能性がある

中立者は「受動的に満足」している状態で、競合に切り替えるリスクもあります。

💡 ポイント: NPSの測定では、スコアの質問だけでなく「その理由を教えてください」という自由記述を必ずセットにしましょう。数字だけでは何を改善すれば良いか分かりません。

計算方法

NPSは、次の式で算出します。

NPS = 推奨者の割合(%) − 批判者の割合(%)

中立者(7〜8点)は計算に含めません。スコアは−100〜+100の範囲を取ります。

計算例:

  • 回答者100人
  • 推奨者(9〜10点):40人 → 40%
  • 中立者(7〜8点):35人 → 35%(計算に不参入)
  • 批判者(0〜6点):25人 → 25%

NPS = 40% − 25% = +15

業界別のNPS目安

NPSの「良い数字」は業界によって大きく異なります。

業界 平均的なNPS
テクノロジー・SaaS 30〜50
コンサルティング 40〜70
金融・保険 10〜30
小売 20〜50
通信 -5〜20

重要なのは絶対値より、時系列での推移と競合との相対比較です。

顧客満足度(CSAT)との違い

NPSとCSATはよく混同されますが、測っているものが異なります。

指標 測定内容 設問例 特徴
NPS 推奨意向・ロイヤルティ 友人に薦めたいですか? 将来の行動予測に使える
CSAT 特定体験への満足度 今回の対応に満足しましたか? 直近の体験評価に向く
CES 努力度(手間)の少なさ 問題解決はスムーズでしたか? サポート体験の評価に向く

満足していても推奨するとは限らないため、両者は補完関係です。定例的なロイヤルティ測定にNPSを使い、個別接点の評価にCSATを使う、という組み合わせが一般的です。

なぜNPSが使われるのか

シンプルで続けやすい

1問で測れるため、回答率が高く、継続調査しやすいです。複雑な満足度調査は回答率が下がり、継続できなくなります。

比較が可能

同一の質問形式のため、業界・競合・自社の時系列でスコアを比較できます。「自社は業界平均より高いか低いか」「昨年より改善しているか」を判断できます。

成長との相関

推奨者は再購入・紹介につながりやすい(→ 紹介・リファラルマーケの設計)。NPSの高い企業は成長率も高い傾向があるといわれます。

解約の先行指標になる

批判者(0〜6点)の顧客は、解約リスクが高い状態です。NPSを定期測定することで、解約前に兆候を掴むことができます。

NPSの測定タイミング

リレーションシップNPS

定期的に(四半期・半期など)全顧客または一定サンプルに実施します。全体的なロイヤルティのトレンドを把握するのに向いています。

トランザクションNPS

特定の接点直後(オンボーディング完了時、サポート対応後、更新時など)に実施します。どの接点がNPSを高め・下げているかを分析できます。

タイミング 目的 活用方法
導入3ヶ月後 オンボーディングの評価 定着施策の改善
更新前3ヶ月 解約リスクの早期発見 フォローアップ優先順位
大型サポート対応後 サポート体験の評価 CS品質の改善
毎年同時期 年次ロイヤルティの推移 経営報告・目標管理

スコアの活かし方

NPSは「測って終わり」では意味がありません。スコアを行動につなげることが重要です。

批判者(0〜6点)のフォロー

批判者への対応は最優先です。

  1. 理由の深掘り:なぜ低評価か(自由記述の分析・個別ヒアリング)
  2. 迅速なフォロー:低スコアが出たら、できれば24〜48時間以内に担当者が接触
  3. 根本原因の改善:個別対応だけでなく、同じ問題を抱える顧客全体への施策

批判者を放置すると解約だけでなく、ネガティブな口コミが広がるリスクがあります。

推奨者(9〜10点)を活かす

推奨者は自社の最も強い資産です。

  • 導入事例の協力:成功事例コンテンツへの参加依頼(→ 導入事例コンテンツの作り方)
  • 紹介プログラムへの招待:リファラルの起点として依頼する
  • 外部レビューの投稿依頼:G2、IT reviewなどへのレビュー
  • ユーザー会・コミュニティへの参加:アンバサダー・エバンジェリストとして活躍してもらう

✅ 実践ポイント: 推奨者に直接連絡し「実は、ご紹介いただきたい企業があれば」と伝えることが最もシンプルな紹介獲得の方法です。メールで自動化するより、担当者が直接伝えた方が実現率が高いです。

改善のループを回す(クローズドループ)

NPSで得た定性フィードバックを、製品・サービス・プロセスの改善につなげるサイクルを設計します。

  1. NPSを測定する
  2. 低スコアの顧客にヒアリングする
  3. 共通する課題を特定する
  4. 改善施策を実施する
  5. 再測定して効果を確認する

このサイクルを継続的に回すことで、顧客体験が改善され、NPSが上昇します(→ カスタマーエクスペリエンス(CX)とは)。

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NPSを上げるための施策

オンボーディングの強化

NPSへの最大の投資はオンボーディングの改善です。顧客が最初の成功体験を早く得られるほど、NPSは上がります。導入から30日・60日・90日でのNPS測定と改善サイクルを設計しましょう。

サポート品質の向上

批判者の多くはサポート体験への不満が原因です。対応速度・解決率・担当者の質を継続的に改善します。

機能・品質のギャップを埋める

「期待していたより機能が少ない」「不具合が多い」という理由は、製品改善で対処します。NPSのフィードバックをプロダクトロードマップに反映するプロセスを作ります。

コミュニティ・情報共有の充実

ユーザーコミュニティ、オンラインフォーラム、活用事例の共有は、顧客のエンゲージメントを高め、NPSを押し上げます。

注意点

  • スコアだけを追わない:理由(定性フィードバック)とセットで見る。スコアが上がっても理由が分からなければ再現できない
  • 文化差・業界差:日本の顧客は欧米と比べて高スコアをつけにくい傾向がある。絶対値より推移と相対比較を重視する
  • 設問の出し方で変わる:タイミング・対象・チャネルを揃えないと、変化が設問の違いによるものかスコアの変化かが分からなくなる
  • NPSゲーミングに注意:「高スコアをつけてほしい」と誘導したり、低スコアの回答を除外したりする行為は、指標の意味を破壊する

⚠️ 注意: NPSが高い=顧客が満足しているという単純な等式は成立しません。NPSを経営目標に設定する場合、スコアの「操作」が起きないよう、測定プロセスの透明性を確保することが重要です。

BtoBでの実践

BtoB・SaaSでは、NPSは解約予測やカスタマーサクセスの指標として有効です(→ BtoBカスタマーサクセスとマーケの連携)。

ヘルススコアとの組み合わせ

製品の利用状況データ(ログイン頻度、機能利用率など)から算出するヘルススコアとNPSを組み合わせると、解約リスクの精度が上がります。

  • ヘルスコア高 × NPS高:優良顧客 → アップセル・紹介の好機
  • ヘルスコア高 × NPS低:使っているが不満あり → 丁寧なヒアリングが必要
  • ヘルスコア低 × NPS高:好感はあるが使えていない → 活用支援が必要
  • ヘルスコア低 × NPS低:解約リスク最大 → 最優先でフォロー

LTVとも関連づけて見ると、ロイヤルティが収益にどう効くかが見えます(→ 顧客生涯価値(LTV)とは)。

NPSと競合ベンチマーク

NPSは自社の顧客ロイヤルティを測る指標ですが、競合がどのような顧客体験や新機能を打ち出しているかを観察することで、自社のスコアが業界水準に対してどう位置するかを考える材料が得られます。

こうした日々の観察は、ReAnker(リアンカー)で自動化できます。競合のPR TIMESリリースとGoogle Newsの報道を毎日自動で収集します。競合のサービス改善や顧客満足に関連する発表をウォッチし、NPSスコアの改善に向けた施策立案のヒントとして活用できます。まずは無料のフリープランで試し、必要に応じて月額300円(税抜)のスタンダードプランへ。

まとめ

NPSは、「推奨したいか」を1問で聞き、推奨者と批判者の差でロイヤルティを測る指標です。シンプルで比較しやすく、成長と相関します。

スコアだけでなく理由を深掘りし、批判者へのフォロー・推奨者の活用・改善ループの実践を継続することで、顧客ロイヤルティを高められます。特にBtoBでは、NPSをカスタマーサクセスやヘルススコアと組み合わせることで、解約予防と拡大収益の両方に活かせます。

よくある質問(FAQ)

Q. NPSと顧客満足度(CSAT)の違いは? A. NPSは「友人に薦めたいか」という推奨意向・ロイヤルティを測り、将来の行動予測に使えます。CSATは特定の体験への満足度を測り、直近の体験評価に向きます。満足していても推奨するとは限らないため、両者は補完関係にあります。

Q. NPSはどうやって計算する? A. 0〜10点で推奨意向を聞き、9〜10点を推奨者、7〜8点を中立者、0〜6点を批判者に分類します。「推奨者の割合−批判者の割合」で算出し、中立者は計算に含めません。絶対値より、時系列での推移や競合との相対比較を重視します。

関連記事:顧客ロイヤルティとは / 顧客生涯価値(LTV)とは / カスタマーエクスペリエンス(CX)とは / BtoBカスタマーサクセスとマーケの連携

この記事を書いたチーム

ReAnker編集部

競合・PR動向モニタリングSaaS「ReAnker(リアンカー)」の開発・運営チーム。 PR TIMESとGoogle Newsを毎日監視するプロダクトの知見をもとに、広報・マーケティング担当者向けに競合監視とPR実務の情報を発信しています。 記事は公開後も定期的に見直し、事実関係・料金情報を更新しています(編集ポリシー)。

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