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marketing-theory·2026年8月11日公開·執筆:ReAnker編集部

RFM分析とは|やり方・セグメント分け・活用例をわかりやすく解説

RFM分析とは何かを解説。Recency(最終購入日)・Frequency(頻度)・Monetary(金額)の3指標、顧客のランク分け、セグメント別の施策、メリットと限界、実務での進め方まで、わかりやすく整理します。

#マーケティング理論#RFM分析#顧客分析#セグメンテーション#CRM
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すべての顧客に同じ対応をしていては、リソースが分散します。誰が優良顧客で、誰が離れかけているのか――それを購買データから見極めるのがRFM分析です。古典的ながら、今もCRMの基本手法として使われています。

この記事では、RFM分析とは何か、3つの指標、顧客のランク分けと施策、メリットと限界を詳しく解説します。

RFM分析とは

RFM分析は、顧客を3つの指標でランク分けし、優良顧客や離反顧客を見極める手法です。1980年代にダイレクトマーケティングの世界で生まれ、現在もCRMやマーケティングオートメーションの基盤として広く使われています。

行動データ(購買履歴)に基づく、行動的セグメンテーションの一種です(→ 市場セグメンテーションとは)。顧客の「属性」ではなく「行動」で分類するため、実際のビジネス価値に直結した分析ができます。

💡 ポイント: RFM分析の最大のメリットは「今手を打つべき顧客」が分かること。「昔はよく買っていたが最近来ない顧客」を見つけて再活性化する施策は、新規獲得より低コストで高い成果を上げることが多いです。

3つの指標

R:Recency(最終購入日・最近いつ来たか)

最後に購入・利用したのはいつかを測ります。

  • 新しいほど良い:直近に購入した顧客は、製品・サービスへの関心・満足が高い状態にある
  • 逆に古いほど離反リスクが高い:長期間接触のない顧客は離れかけている可能性がある

SaaSでのRecency:最後にログインした日付、最後に主要機能を使った日付などで代替できます。

F:Frequency(購入頻度・どれくらいよく来るか)

一定期間内に何回購入・利用したかを測ります。

  • 多いほど良い:頻繁に利用する顧客は、製品・サービスが日常業務に定着している
  • 1回のみは要注意:購入後の定着が進んでいない可能性がある

SaaSでのFrequency:月間ログイン回数、機能の利用回数、コンテンツの閲覧頻度などで代替できます。

M:Monetary(購入金額・いくら使ったか)

一定期間内の合計購入金額(または契約額)を測ります。

  • 多いほど良い:高い金額を使う顧客は事業へのコミットメントが高く、LTVも高い
  • 低いほど改善の余地がある:アップセル・クロスセルの機会を探る

SaaSでのMonetary:月額契約金額(MRR)、有料プランのランク、追加オプションの購入状況などで代替できます。

スコアリングの方法

各指標を一定のランク(例:5段階)に分け、組み合わせて顧客を分類します。

5段階スコアリングの例

各指標を1〜5点でスコアリングし、高いほど良いとします。

スコア Recency Frequency Monetary
5 30日以内 月10回以上 100万円以上
4 31〜60日 月5〜9回 50〜100万円
3 61〜90日 月2〜4回 20〜50万円
2 91〜180日 月1回 5〜20万円
1 181日以上 0〜1回/月 5万円未満

※数値はビジネスの特性に合わせて設定する

スコアの組み合わせ例

  • R=5, F=5, M=5 → 最優良顧客(ロイヤルカスタマー)
  • R=1, F=5, M=5 → 離反しかけの優良顧客(要注意)
  • R=5, F=1, M=1 → 新規・有望顧客(育成が必要)
  • R=1, F=1, M=1 → 休眠顧客

顧客のセグメント分類

RFMスコアを組み合わせて、顧客を代表的なセグメントに分類します。

セグメント名 特徴 R F M
ロイヤルカスタマー 最も価値の高い顧客 高 高 高
有望顧客 最近来た購入可能性の高い顧客 高 低 低
定着顧客 定期的に購入するが単価が低め 中 高 中
離反リスク顧客 以前は優良だったが最近来ない 低 高 高
休眠顧客 長期間接触のない顧客 低 低 低
新規顧客 最近初めて来た顧客 高 低 低

セグメント別の施策設計

ランクに応じて、打ち手を変えます。同じコストをかけるより、セグメント別の最適な施策を打つことで、ROIが大幅に向上します。

ロイヤルカスタマー(R高・F高・M高)

最も大切にすべき顧客です。

  • 維持・特別対応:専任担当者の配置、VIPプログラムへの招待
  • アップセル:より上位のプランや新機能の早期提案
  • 紹介・事例協力:信頼関係を活かして紹介プログラムや事例化を依頼(→ 顧客ロイヤルティとは)
  • コミュニティ活動:ユーザーコミュニティでのリーダー的役割

離反リスク顧客(R低・F高・M高)

以前は優良顧客だったが、最近来ていない顧客です。「昔は買っていたが最近来ない」という状態を放置すると完全離反につながります。

  • 再活性化アプローチ:「最近お見かけしないので連絡しました」という個人的なコンタクト
  • 状況確認ヒアリング:何かあったか、不満はないかを確認
  • 特別オファー:限定的な割引や特典で戻ってきてもらう動機付け
  • カスタマーサクセスによるフォロー:利用再開を支援するハンズオン

⚠️ 注意: 離反リスク顧客へのアプローチは、いきなりセールス色の強い接触をすると逆効果です。まず「状況確認」「価値提供」から入りましょう。

新規・有望顧客(R高・F低・M低)

最近来たばかりで、まだ定着していない顧客です。この段階でうまく関係を構築できるかどうかが、その後のLTVを左右します。

  • オンボーディングの強化:使い方を丁寧に説明し、最初の成果を早く体験させる
  • 関係構築コンテンツ:活用事例・ヒントの提供
  • マイルストーン確認:「1ヶ月後の状況はいかがですか」という確認

休眠顧客(R低・F低・M低)

すべてのスコアが低い顧客です。回収コストを考慮した効率的なアプローチが必要です。

  • 低コストの掘り起こし:自動化したメールシーケンスでのタッチ
  • 再獲得オファー:特別な再導入プランの提案
  • 優先度の低下:他のセグメントに集中し、休眠顧客には最小限のコストをかける
  • クレンジング判断:一定期間全く反応がなければ、CRMのアクティブリストから外すことも検討

✅ 実践ポイント: RFM分析の最も大きな効果は「どこに力を入れるべきかの優先順位が明確になること」です。全顧客に同じコストをかけるのをやめ、セグメント別に最適なリソース配分を決めましょう。

限られたリソースを、価値の高い顧客に集中できます。パレートの法則(上位顧客が売上の大半)とも通じます(→ パレートの法則とマーケティング)。

BtoBでのRFM分析の特徴と工夫

BtoBは、BtoCと比べてRFM分析の適用に工夫が必要です。

購買頻度が低い問題

BtoBの高額サービスでは、年1〜2回の更新が「高頻度」の場合があります。「Frequency」をそのまま適用すると、BtoB顧客の多くが低スコアになります。

工夫の方法:

  • ログイン頻度、機能利用回数など「利用頻度」で代替する
  • 会議・レビューへの参加回数、担当者とのやり取りの頻度を加える

単一の意思決定者でない問題

BtoBでは複数の担当者が製品を使います。「顧客企業」単位でスコアリングすることが重要です。

  • 担当者個人ではなく、アカウント(企業)単位で集計する
  • 利用ユーザー数の増減もRFMスコアに組み込む

「エンゲージメントスコア」として使う

厳密なRFMにこだわらず、BtoBに合った「ヘルスコア」「エンゲージメントスコア」として使うことも有効です。

  • Recency:最終ログイン日
  • Frequency:月間アクティブ日数 / 機能使用数
  • Monetary:現在の契約額 / 利用席数
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LTVとの関係

RFM分析は「現在の」顧客価値を見るのに対し、LTVは「将来も含めた」価値を見ます(→ 顧客生涯価値(LTV)とは)。

RFMで優良顧客を見極め、LTVを高める施策につなげる、という流れが有効です。

  • RFMスコアが高い顧客:LTVが高い傾向 → 維持・拡大に投資する
  • RFMスコアが下がっている顧客:将来LTVが下がるサイン → 早期介入で防ぐ

実務での進め方

ステップ1:データを整備する

CRM・MAにRFM分析に必要なデータが揃っているかを確認します。

  • 顧客ごとの購買・利用履歴
  • 最終接触日
  • 累計購入額・現在の契約額

データがバラバラのシステムに散在している場合は、まず統合から始めます。

ステップ2:スコアリング基準を決める

「自社のビジネスにおいてR/F/Mの何が重要か」を踏まえて、スコアリング基準を設計します。業界・商材によって適切な基準は異なります。

ステップ3:セグメントに分類して施策を設計する

全顧客をセグメントに分類し、各セグメントへの施策を設計します。すべてのセグメントに同時に対応する必要はありません。まずロイヤルカスタマーと離反リスク顧客から着手するのが一般的です。

ステップ4:定期的に更新する

RFM分析は一度やって終わりではありません。月次・四半期での更新と、施策の効果測定を繰り返します。

メリットと限界

メリット

  • データがあればすぐ実践できる(特別なツールが不要)
  • 優良顧客・離反顧客が一目で分かる
  • 施策の優先順位が明確になる
  • CRM・MAと組み合わせて自動化できる

限界

  • 過去の購買しか見ない:未来の可能性や顧客満足は測れない
  • 購買頻度の低い商材には不向き:高額・低頻度のBtoB商材では工夫が必要
  • 理由が分からない:なぜ離反したかはRFMだけでは見えない → NPSやインタビューと組み合わせる(→ NPS(ネットプロモータースコア)とは)
  • 顧客の将来性が見えない:スタートアップなど、将来大きく成長する顧客が低スコアになる場合がある

RFM分析と競合の顧客施策監視

自社のRFMセグメントを改善するには、競合がどのような顧客維持・再購買施策を打っているかを参考にすることも有効です。競合のキャンペーンや新サービス発表から、ロイヤル顧客へのアプローチ方法のヒントが得られます。

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まとめ

RFM分析は、最終購入日・頻度・金額の3指標で顧客をランク分けし、優良顧客や離反顧客を見極める手法です。セグメント別に施策を変え、リソースを価値の高い顧客に集中できます。

過去データに基づく点の限界を理解し、LTVや満足度の視点と組み合わせて活用しましょう。BtoBでは利用データを活用した「ヘルスコア」としての応用が、特に効果的です。

よくある質問(FAQ)

Q. RFM分析とは何ですか? A. 顧客をRecency(最終購入日)・Frequency(購入頻度)・Monetary(購入金額)の3指標でランク分けし、優良顧客や離反顧客を見極める手法です。属性ではなく行動データに基づく、行動的セグメンテーションの一種です。

Q. RFM分析でどんなことができますか? A. ロイヤルカスタマー・離反リスク顧客・新規/有望顧客・休眠顧客などのセグメントに分類し、それぞれに最適な施策を打てます。全顧客に同じコストをかけるのをやめ、価値の高い顧客にリソースを集中できるのが最大の効果です。

Q. BtoBでもRFM分析は使えますか? A. 使えますが工夫が必要です。購買頻度が低くなりがちなため、ログイン頻度や機能利用回数などの「利用頻度」で代替し、担当者個人ではなくアカウント(企業)単位で集計するとよいでしょう。厳密なRFMにこだわらず「ヘルスコア」「エンゲージメントスコア」として使う応用も有効です。

関連記事:市場セグメンテーションとは / パレートの法則とマーケティング / 顧客生涯価値(LTV)とは / 顧客ロイヤルティとは

この記事を書いたチーム

ReAnker編集部

競合・PR動向モニタリングSaaS「ReAnker(リアンカー)」の開発・運営チーム。 PR TIMESとGoogle Newsを毎日監視するプロダクトの知見をもとに、広報・マーケティング担当者向けに競合監視とPR実務の情報を発信しています。 記事は公開後も定期的に見直し、事実関係・料金情報を更新しています(編集ポリシー)。

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