PR TIMESで競合企業のリリースを見逃さない方法|通知と自動監視のコツ
PR TIMES を使った競合監視の実務的なやり方を解説。企業ページ・キーワード検索・RSS の使い分け、巡回が続かない3つの理由、月額300円から使える自動化ツールの選択肢を整理します。
国内 BtoB / SaaS の主要なプレスリリースは、ほぼ PR TIMES を経由します。競合のプレスリリースを継続して把握する には、PR TIMES の使い方を押さえておくのが近道です。
しかし「PR TIMES を毎日チェックしている」と胸を張って言える企業は少ない。一度始めても、半年以内に止まる企業が大半です。理由は 手動運用の限界 にあります。
この記事では、PR TIMES だけで競合監視を回す方法と、その限界、自動化したい場合の選択肢を、現場で使える形で整理します。
なぜ PR TIMES が一次情報源なのか
PR TIMES のシェアと立ち位置
国内のプレスリリース配信プラットフォームは複数ありますが、PR TIMES が圧倒的なシェアを持っています。
| プラットフォーム | 利用企業数 | 月間PV | 業界カバレッジ |
|---|---|---|---|
| PR TIMES | 約9万社 | 数億規模 | BtoB / SaaS / IT 中心、全業界 |
| @Press | 約3万社 | 数千万 | 中小・地方企業中心 |
| 共同通信PRワイヤー | 約1万社 | 数千万 | 大企業・IR中心 |
| Dream News | 数千社 | 数百万 | 中小スタートアップ |
| valuepress | 数千社 | 数百万 | 個人事業・極小スタートアップ |
詳細な比較は PR TIMES と @Press の違い を。
競合監視で PR TIMES が最適な理由
- 配信企業数が多い:競合候補のほぼ全てが利用している可能性高
- 発表当日にインデックス:時間差なく情報が取得できる
- 企業ページが充実:1社の発表履歴が時系列で読める
- Yahoo!ニュース連携:重要リリースは確実に話題になる
- 過去のアーカイブ:競合の発信傾向が分析できる
特に BtoB SaaS の場合、競合の新機能・新サービスの発表の大半は PR TIMES 経由 です。ここを押さえていれば、競合の動きはほぼ把握できます。
PR TIMES でできる3つの追い方
1. 企業ページを直接ブックマーク
各企業には prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/XXXX の専用ページがあります。ここを5〜8社分ブックマークし、毎朝巡回するのが最もシンプルな運用です。
企業ページの探し方
- PR TIMES で競合企業名を検索
- 「会社情報」リンクから企業ページへ
- URL の
company_idを控える - ブックマークに追加
この運用の特徴
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| コスト | ◎(完全無料) |
| 精度 | ◎(誤検知ゼロ) |
| 工数 | × (手間がかかる) |
| 継続性 | × (出張・休暇で抜ける) |
| 通知 | × (ブラウザで開かないと見られない) |
5社・3ヶ月までなら回せますが、それ以上になると現実的でなくなります。
2. キーワード検索
PR TIMES のサイト内検索で「自社カテゴリ」「業界キーワード」を検索する方法。
検索キーワードの例
- 自社カテゴリ名(「営業支援ツール」「クラウド会計」)
- 業界キーワード(「DX推進」「サプライチェーン」)
- 新興企業名(業界レポートから抽出)
- 規制・政策キーワード(「インボイス制度」「働き方改革」)
この運用の特徴
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 新興企業の検知 | ◎(自社が把握していない競合も拾える) |
| カテゴリ全体の動向 | ◎ |
| ノイズ | × (同じ単語を含む別領域のリリースが混ざる) |
| 工数 | △ (定期的なキーワード見直しが必要) |
3. RSS / フィード
PR TIMES の企業ページや業種ごとのフィードを RSS リーダー(Feedly など)に登録する方法。
RSS の取得方法
- 企業ページURL に
/rss.xmlを付与(一部企業のみ対応) - カテゴリページ(業種別)のRSSは安定して取得可能
- Feedly などのRSSリーダーに登録
この運用の特徴
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 自動化度 | ◎(巡回不要) |
| 未読管理 | ◎ |
| Slack通知 | △(別途連携が必要) |
| 月次レポート化 | × |
| 1社=1フィード | × (10社登録すると1日10通バラバラ) |
「とりあえず1〜2社追う」用途には十分。本格運用には機能不足です。
手動運用が続かない3つの理由
実務で手動運用を始めると、ほとんどのチームが半年以内に止まります。理由は明確です。
理由1:毎朝の巡回が地味につらい
| 競合社数 | 1日の所要時間 | 月間(20営業日) |
|---|---|---|
| 3社 | 5〜10分 | 約3時間 |
| 5社 | 15〜20分 | 約7時間 |
| 8社 | 25〜35分 | 約10時間 |
| 10社以上 | 40〜60分 | 約15時間以上 |
5社で 月7時間 の工数。担当の時給を3,000円換算すると 月2万円相当。「広報担当の本業はリリース作成・取材対応」なので、ここに時間を割くのは生産性が低い。
理由2:属人化する
- 「巡回している人」と「決済する人」が違うと、優先度が下がる
- 担当が変わる時の引き継ぎが面倒
- 「重要なリリース」の判断基準が言語化されていない
- 巡回ルール(順番、頻度、見るべきポイント)が口頭伝承
担当が変わった瞬間、運用が完全リセットされるケースが大半です。
理由3:抜けが発生する
- 出張・休暇・繁忙期に巡回が止まる
- 「先週の競合の発表知らなかった」が起きやすい
- 営業から「あの発表知ってます?」と聞かれて答えられない
- 1週間気づかなかったリリースが、商談中に話題に出る
「重要な情報源だと頭でわかっているのに、運用が続かない」のは、人間の問題ではなく仕組みの問題 です。
自動化の選択肢
A. PR TIMES Webクリッピング(公式有料)
PR TIMES 自身が提供する有料サービス。網羅性は高いが料金が高い。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 料金 | 月10万円〜(プランによる) |
| 対象 | PR TIMES の全リリース |
| 通知 | メール、Webダッシュボード |
| 向き | 大企業・上場企業のIR・広報部 |
| 不向き | 個人・小規模チーム |
詳細は PR TIMES Webクリッピング代替ガイド と /compare/prtimes-web-clipping で。
B. ReAnker(個人・小規模向け競合リリース監視ツール)
PR TIMES + Google News に特化した小型ツール。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 料金 | 月額300円(税抜)から、無料プランあり |
| 対象 | PR TIMES + Google News |
| 通知 | メール、Slack(Standardプラン) |
| 向き | 個人・スタートアップ・中堅企業の広報1人体制 |
| 不向き | 新聞・専門紙・テレビまでカバーしたい場合 |
主な機能
- 競合企業ページの URL を登録するだけ
- 毎朝9時に、前日に追加されたリリースだけを Slack / メールで通知
- 既読・未読・クリップ管理
- 月次の競合動向サマリ生成
「PR TIMES Webクリッピング は予算が合わないが、Google アラートだけでは足りない」というレンジを埋める設計です。
C. 自作スクリプト
エンジニアリングリソースがあれば、PR TIMES の企業ページをスクレイピングして Slack に流すスクリプトを自作することも可能です。ただし、
自作の隠れたコスト
- HTML 構造の変更に追従するメンテナンス(PR TIMES は数ヶ月単位で構造変更あり)
- 障害監視(スクリプトが止まっても気づかない)
- 重複検知ロジック(URLハッシュなど)
- 通知フォーマットの調整
- 新規競合追加時のコード変更
総合的に、運用工数が SaaS の月額を超えるケースが多いです。「自作するくらいなら月300円のSaaS」 が現実的な結論。
D. クリッピング代行
新聞・雑誌・Web を網羅する代行サービス。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 料金 | 月数万〜数十万円 |
| 対象 | 新聞・雑誌・テレビ・Web |
| 通知 | レポート(PDF・スプレッドシート) |
| 向き | 上場企業・IR重視 |
| 不向き | 個人・小規模 |
詳細は クリッピングサービスとは? を。
ReAnker の最小構成例
ReAnker(リアンカー) を実際に運用するときの手順:
Step 1: 新規登録(30秒)
- Google アカウントでログイン
- メアド・パスワード入力不要
- クレジットカード登録不要(無料プラン)
Step 2: 競合企業のPR TIMES URL を登録(3〜5本)
- 例:
prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/XXXX - アンカー名(社内呼称)を設定
- ソース(PR TIMES / Google News / 両方)を選択
Step 3: 通知先を設定
- メール(デフォルト)
- Slack Webhook URL(Standardプラン)
Step 4: 翌朝から自動配信開始
- 毎朝9時に Slack / メールへ通知
- 前日の新着リリースだけが届く(0件なら配信なし)
これで、手動で毎朝巡回していた工数がゼロになります。詳細な比較は /compare を参照してください。
規模別の推奨構成
個人事業・1人広報
- ReAnker 無料プラン(アンカー3件まで)
- Google アラート(補完)
- 月コスト:0円
スタートアップ(5〜30名)
- ReAnker Standardプラン(月額300円)
- 競合 5〜8社をモニター
- Slack 通知でチーム共有
- 月コスト:300円
中堅企業(広報チーム複数名)
- ReAnker Standardプラン
- PR TIMES Webクリッピングを併用(網羅性確保)
- 月コスト:約10万円
上場準備中・大企業
- PR TIMES Webクリッピング
- クリッピング代行(紙媒体カバー)
- ReAnker は新興スタートアップの動向把握用
- 月コスト:月20〜50万円
よくある質問
Q. PR TIMES に登録されていない競合はどうする?
@Press、Dream News、共同通信PRワイヤーなど別プラットフォームに配信していることも。Google News で社名検索を併用すると拾えます。ReAnker は Google News も対象なので、PR TIMES に出ないリリースも拾えるケースが多い。
Q. 海外の競合は監視できる?
PR TIMES は国内中心。海外競合は別途、PR Newswire・Business Wire などの英語プラットフォームでの監視が必要。ReAnker の Google News 機能で、ある程度の海外動向も拾えます。
Q. 取り上げメディアを知るには?
PR TIMES のリリース下部に「掲載メディア一覧」が表示されます。重要リリースほど掲載数が多くなる傾向。
Q. リアルタイム通知は可能?
ReAnker は毎朝9時の1日1通の設計。リアルタイム通知は提供していません(理由:3日で読まれなくなるため)。
Q. 競合の社員も自社の動きを監視している?
ほぼ確実にしています。互いに監視し合うのが業界の標準。だからこそ、競合より先に動向を把握する仕組みが重要。
まとめ
- 競合のプレスリリースは PR TIMES が一次情報源(BtoBでは大半をカバー)
- 手動巡回は5社・半年が限界。属人化・抜けが避けられない
- 個人・小規模チームの自動化は ReAnker のような 競合リリース監視ツール がコスパよく回る
- 全国紙・専門誌までカバーが必要なら クリッピング代行 を併用
- 規模に応じてツール構成を最適化(月0円〜数十万円のレンジ)
PR TIMES の競合監視は、ツール選定よりも「運用ルールの言語化」と「月次まとめ」が成否を分けます。ツールを入れたらゴール、ではなく、運用ルールを社内に根付かせるところまでが本当の仕事です。
関連:競合プレスリリース監視の方法 / PR TIMES Webクリッピング代替ガイド / Google アラートで競合監視はできるか / 競合調査を自動化する方法
この記事を書いたチーム
ReAnker編集部
競合・PR動向モニタリングSaaS「ReAnker(リアンカー)」の開発・運営チーム。 PR TIMESとGoogle Newsを毎日監視するプロダクトの知見をもとに、広報・マーケティング担当者向けに競合監視とPR実務の情報を発信しています。 記事は公開後も定期的に見直し、事実関係・料金情報を更新しています(編集ポリシー)。
